岡本圭生先生からの寄せる言葉

患者会の設立を祝して

滋賀医科大学 前立腺癌小線源治療学講座
特任教授 岡本 圭生

岡本先生前立腺癌の患者会 “腺友倶楽部” の発足を心よりお喜び申し上げます。
女性固有の癌である乳がんについては、患者会ができてすでに36年を数えるとのことです。
乳がんの患者会 “あけぼの会” の会長を長らくされているワット貴子さんが、1978年に新聞社に投稿された一通の手紙(こちらを参照)が “あけぼの会” 誕生のきっかけになったのです。
30数年を振り返ってワット貴子さんがお話しされていたことで、大変印象に残っていることがあります。
「乳がんにかかった人たちを30年間見てきて、時代の変化をすごく感じています。とにかく患者がとても賢くなってきて、”いい医療、治る医療を受けたい” という気持ちが強くなってきました」と述懐されています。
このことは、言い換えれば ”いい医療、治る医療を受けたい” という意識が、患者さんの気持ちとして前面にでてくるのに30年を要したことを意味しています。
医療者側の努力だけでは良い医療は育ってきません。患者の皆さんが ”よい治療を受けたい、治る治療を受けたい” という強い希求を社会に訴え続けることが重要です。
腺友倶楽部が、患者さん中心の、患者さんのための、より良い前立腺癌治療を推進するための起点となり、多くの患者さんの「灯台」となることを祈っております。
また、腺友倶楽部が、多くの良い出会いを生み、患者さん同士の思いやりに満ちあふれた助け合いのコミュニティとなることを祈念して、お祝いのことばとさせていただきます。

最終更新日:2015年1月22日

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